【症例】根管治療で治らない歯根嚢胞に対して行った歯根端切除

【症例】根管治療で治らない歯根嚢胞に対して行った歯根端切除

2022年5月6日
せたがや歯科室|ブログ|【症例】根管治療で治らない歯根嚢胞に対して行った歯根端切除|治療前治療後比較画像

治療内容

根管治療、歯根端切除

期間

約半年

費用

保険診療

治療前の状態・主訴

本症例の患者様は、数日前から前歯の歯茎が腫れてきて痛みがあるとの事で来院されました。20代の男性です。

上顎右側側切歯の根尖部が腫脹しており、何もしなくても痛みがある状態でした。レントゲン撮影をして確認したところ、当該部位に大きな透過像があったため根尖性歯周炎と診断。歯根嚢胞もある可能性があったため、患者さんにその旨もお伝えしました。

治療詳細

根尖の透過像があり膿が溜まっている事が予想され、また根管治療がされてない歯だったため、口蓋側から削って根管治療を開始しました。

根尖まで到達したところで著しい排膿があり、このまま仮封をすると激痛が出る事が予想されたため、2日後に来院する約束をした上で当日は圧を逃がすために仮封をせずに綿球を詰めました。

2日後に来院された際は、腫れは少し残っていましたが痛みがなかったため、洗浄をしてから仮封を行いました。仮封を行ったため痛みや腫れが出る可能性、もし出た場合は仮封を外す事をお伝えしました、しかし大きな問題はなく、その後順調に根管治療を行いました。

数回根管治療を行なって、問題がなかったため最終的に充填を行い、プラスチックで塞ぎました。

 

しかし、元々の炎症が大きく根管治療のみでは完治しなかったので歯根端切除を行いました。

治療後の様子

その後痛み等の再発もなく経過は良好です。

今後は被せ物にしていく事も検討しましたが、患者様の希望によりプラスチックで治療をすすめる方針になりました。

主な副作用・リスク

・治療後には腫れや痛みが出る場合があります

・根管治療で治らないケースは様々な原因が考えられるため、歯根端切除で治らなければ抜歯を検討しなくていけない場合もあります

・隣在歯の歯肉退縮のリスクがあります

・歯根が短い場合や歯種によっては適応外もあります

・歯肉に瘢痕が残る場合があります

・歯根が短くなるため、咬合圧に対しては弱くなります

<根管治療のみで良くならない場合でも、歯根端切除で歯を残せる可能性があります>

今回の症例は、レントゲン上で明らかに炎症が大きかったため、予想通り根管治療のみでは完治せず、歯根端切除となりました。根管治療のみで良くならない場合でも、歯根端切除を行えばご自身の歯を残せる可能性があります。

また、大きいコア(土台)が入っており、それを除去する事が難しいケースでも歯根端切除を選択できる可能性があります。

根管の形態は個人差が非常に大きく複雑なため、根管治療では治せないケースも存在します。もちろんそれだけ難しいケースなので歯根端切除を行っても予後が悪く抜歯になる可能性もありますが、歯根端切除という選択肢もあることをお伝えします。

せたがや歯科室では、様々な症例に対応しています。歯ぐきの腫れや痛みがある方は、まずは一度ご来院ください。

 

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