【症例】知覚過敏を保険適用の治療で改善
治療内容
期間
治療回数
費用
治療前の状態・主訴
患者様は50代の男性で、「口をゆすいだり、冷たいものを食べたりするとしみる」と、来院されました。保険適用内での治療をご希望でした。
確認したところ、歯茎が下がって歯の付け根の部分がえぐれ、歯の中の神経が刺激を受けやすい状態になっていました。歯並びを診てみると、歯の上下の先端同士が咬耗し合って平らに削れていました。歯ぎしりをしているという自覚もあるそうでした。
なお、今回の患者様は幼少期(体内で歯が作られている時期)にテトラサイクリン系の抗生剤を服用していた影響で、歯の色調が一般の方に比べて暗いです。テトラサイクリン系の抗生剤は、1970年代頃を中心に、風邪薬のシロップに使われていました。なお、このような歯を「テトラサイクリン歯」と言います。
患者様は、歯の色調のことはあまり気にされていなかったため、審美的な治療はせずに、しみる症状の改善を第一優先として治療を行いました。
治療詳細
まずは、症状が強く出ている3本の歯から治療を行いました。
歯科用プラスチック(コンポジットレジン)が接着しやすいように、歯の表面を研磨、消毒します。次に、歯茎の際まで綺麗にプラスチックを詰めるため、歯茎と歯の境に糸(下図、青い矢印)を入れ込み、歯茎を押し広げます。そして、段差や隙間が出来ないようにプラスチックを詰めて、磨きます。
今回は歯の色調が暗く、どうしても色が合いませんでしたが、一般的な色調の歯ならば、同系色で詰めることができます。テトラサイクリン歯でも、程度によってはホワイトニングで色味の改善もできます。
治療後の様子
しみる症状に改善が見られ、見た目も気にならないとのことでした。ほかの歯も、順次治療予定です。
主な副作用・リスク
・プラスチックを詰めることにより、歯磨きが上手くできないと汚れが溜まりやすくなり、虫歯になるリスクが高くなります。
・プラスチックは経年劣化するので、数年おきに交換が必要になります。
<知覚過敏の治療には、さまざまな方法があります>
今回は、しみる部分を直接ガードするようにプラスチックを詰めて治療しましたが、軽度な症例では、薬液を塗布したり、食いしばりをコントロールしたりするだけで、知覚過敏の症状が改善することもあります。
また、夜間のマウスピース着用も同時に行うことで、より効率的に治癒を目指せるとともに、歯が削れたり顎の関節に負担がかかったりする状態も改善が図れます。
なお、今回は患者様が保険適用内での治療を希望されたため、歯科用プラスチックを使用しました。プラスチックは、日常生活を送るうえでは特に問題ありませんが、経年劣化で変色したり強度が落ちたりするため、数年おきに交換が必要です。
より自然な色味のまま長持ちさせ、強度も長く維持したい方には、自費診療になりますが、セラミックなどがおすすめです。素材によって特徴や費用が異なるので、詳しくはお問い合わせください。
歯科医師 岩田
セラミックについて、詳しくはこちら。
セラミック治療|治療メニュー|せたがや歯科室
また、当院では、保険適用内の治療でも、自費診療とできるだけ同じ工程で、詰め物・被せ物の製作を進めています。そのため、患者様の歯にぴったり合う技工物を作ることができます。
「冷たいものがしみる」「歯が削れてきた」「歯茎が下がった気がする」「歯ぎしりが治らない」などの症状が思い当たる方は、ぜひ、松陰神社前の歯医者「せたがや歯科室」へお声がけください。
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