【症例】肉眼では分かりにくいがレントゲンで見つかった虫歯の治療
治療内容
(虫歯を削ったがとても深かったため、銀歯作成の前に一度薬を入れて経過観察)
期間
治療回数
費用
治療前の状態・主訴
患者様は「顎が痛いので見てほしい」ということで来院されました。
ご本人に虫歯の自覚症状はなく、口の中を見ても、大きな虫歯があるようには見えません。
しかし、診断のためにレントゲンを撮影したところ、左上の奥歯に虫歯の所見が写っていました。レントゲン上には、虫歯と見られる大きな透過像があります(赤丸の部分)。
顎の痛みの原因は顎関節症で、マウスピースの使用が必要と判断しましたが、マウスピース使用のためには虫歯の治療が終了している必要があるため、先に虫歯治療を行なうことにしました。
治療詳細
虫歯は、隣同士の歯がぶつかるところから進行していました。歯を削って虫歯をある程度除去したところで、虫歯を染める液で染めるとまだまだ虫歯があったため、徹底的に除去を行ないました(赤く染まっている箇所が虫歯)。
虫歯の除去は終わりましたが、一部では、歯の神経が透けて見えるくらい深くまで進行していたため、薬を入れました。
治療後の様子
痛みの経過を見て、問題がなければ詰め物を作成、あるいは歯の神経に炎症が起これば、歯の根の治療を行う流れとなります。
治療後2週間が経過した段階では、痛みは問題なさそうでした。
主な副作用・リスク
・麻酔をするため、お口が一時的に痺れます。
・虫歯の治療後は一時的に痛みが出ることがあります。
・もともと痛みがなかったとしても、治療後に痛みが出ることがあります。また、痛みが引かず歯の神経の炎症が起こる可能性があります。
<レントゲン撮影により、肉眼では見えない虫歯も早期発見できます>
今回の治療は、虫歯を除去して薬を入れるという、とても一般的な虫歯治療です。
私たち歯科医師が口腔内を見る場合、患者様ご自身が鏡で見るより細部までしっかり見えますし、経験もあるため、虫歯を見つけやすいものです。しかし、そんな歯科医師でも、すべての虫歯が明確に見えるわけではありません。レントゲンを撮ることにより、虫歯やその他の疾患を発見できることも少なくないのです。
そのため、虫歯の自覚症状がなくても、定期的なレントゲン検査は受けておいた方が良いと思います。個人差はありますが、大体1年半〜2年に1度のペースで受けるのが良いでしょう。
レントゲン撮影において被曝量を心配される方もいますが、歯科のレントゲンはCTも含めて放射線量が低いので問題はありません。
具体的な被曝量を挙げると、日本人が日常生活をしていて1年間に浴びるとされている被曝量は合計2.4mSvです。日本とニューヨークを飛行機で往復すると1.9mSv、歯科用パノラマで1回0.03mSv、歯科用CTでは1回0.1mSvなので、歯科治療における被曝量がいかに少ないか、分かると思います。
虫歯は早期発見・早期治療が大切です。
早い段階で見つけられれば、治療期間は短く済み、治療費もおさえることができます。しかし、ある程度進行すると治療が大掛かりになるので、さまざまな負担が増してしまいます。
レントゲン検査で、自覚症状もないような軽度の虫歯を見つけられれば、簡単な治療で済みます。もし虫歯が見つからなくても、それに越したことはないでしょう。
虫歯がある、自覚症状がないけれど虫歯が気になる、その他お口のことでお困りの方は、ぜひ一度、松陰神社前徒歩0分・世田谷の歯医者「せたがや歯科室」まで、お気軽にご相談ください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
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