【症例】虫歯になってしまった神経のない奥歯に対する再根管治療
治療内容
期間
治療回数
費用
ファイバーコア:15,000(+税)
根管治療:数千円(保険診療)
治療前の状態・主訴
患者様は40代の男性の方で、 治療途中の左下の歯や、その他悪いところを全て治療したい、とのことでご来院されました。
全体のレントゲンを撮影したところ、左下は治療途中で、被せ物が入っていない状態でした。 そこで、まずは左下をインプラントにて治療しました。こちらの治療詳細は割愛させていただきます。
次に、今回ご紹介する左上の治療に移りました。左上は数十年前に根管治療をしていました。歯の状態を確認しますと、被せ物自体はかなり古くなっており、被せ物と歯との境目に虫歯がありました。
治療詳細
2次元のレントゲン(パノラマ写真)では左上の状態はよく確認できませんでした。上の奥歯は、レントゲンを撮ると頬骨と重なって写り、CTでないとはっきり見えないことが多いです。
そこで、3次元のレントゲン(CT写真)を撮像したところ、本来であれば骨で白く写っているべき部分が、骨が溶けて黒く抜け、膿が溜まっているのが確認できました(赤矢印)。また、上顎洞の炎症も見られました(青矢印)。
治療計画の候補で、抜歯してからインプラントにする案もありましたが、上顎洞の炎症、残っている骨がかなり薄いこと、ヘビースモーカーであることなどから、患者様と相談し、再度根の治療をしてからブリッジにする方針としました。
治療後の様子
最終的にブリッジを試適したときの写真です。
現在、患者様は痛みなどもなく、快適に過ごされています。
主な副作用・リスク
・根の治療を繰り返すことで、歯は薄く、脆くなります。
・古い材料を外すときに、歯に負担がかかるため、破折のリスクがあります。
・状況によっては抜歯しなければならない可能性もあります。
定期的なメンテナンスでトラブルをできるだけ早く発見し、 治療しましょう
今回再根管治療をした歯は、症状もなく、2次元のレントゲン写真では確認しづらい状態でしたので、CTを撮影していなければトラブルの発見が遅れていたと思います。神経を既に除去している場合、歯自体の感覚がないため、病気に気付けないことが多いです。このまま放置してしまうと、骨が溶けたり最悪の場合は抜歯が必要になったりしてしまいます。また、副鼻腔炎を併発する可能性もあります。
せたがや歯科室ではCTとマイクロスコープ(顕微鏡)を完備しており、通常見逃してしまいがちな病気も、発見しやすい体制を整えています。
症状がなくても、定期的なメンテナンスを行うことで、予防出来ることも多いので、ぜひ一度ご来院下さい。
せたがや歯科室 歯科医師 岩田
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