【症例】ケガで破折した歯に対するセラミック治療
治療内容
期間
治療回数
費用
治療前の状態・主訴
患者様は50代女性、昨夜転倒して唇をぶつけたとのことで来院されました。
前歯3本が割れてしまい、唇も腫れていて、患者様は精神的にも辛い状態でした。患者様が欠けた歯を保管されていたので、当日は応急的にご自身の歯を接着しました。
治療詳細
歯の割れたところにギャップもあり変色している歯もみられました。
患者様は昔治療した被せ物も気になっているとのことでした。
変色していた歯は検査の結果、神経が腐敗していたので根管治療(神経の管を綺麗にする治療)を行いました。
長期間感染していたと見受けられる神経の管から、十分に感染物質を除去し、徹底的に洗浄を行いました。その後最終的な材料を根管内に注入し歯の神経の治療を終了しました。
その後、被せ物の治療に進みました。患者様は、治療が必要な前歯4本を、2本ずつ分けて被せ物の治療をしたいと希望されました。ご要望を受け、まずは2本の仮歯を作製し、仮歯の形態を患者様に確認していただいた上で、最終的な被せ物をセラミックで作製しました。
最初の2本の治療完了後、同様に残りの2本についても治療を行いました。
治療後の様子
セラミックは透明度が高いので、被せた歯の色を反映しやすく色馴染みがいい状態になります。
土台に金属を使っている歯は少し金属色が透き通ってしまいますが、患者様は機能的にも審美的にも満足されました。
治療後1年以上経過しましたが、予後も良好で、患者様も治療した歯を問題なく使っていただいているとのことです。
主な副作用・リスク
・歯の神経の治療は個人差があり回数が多くかかる場合があります。
・歯の割れ方によって同じ治療が困難な場合があります。
・セラミックは自由診療となります。
・被せ物の厚みが必要なので歯の切削量が増えます。
・噛み合わせの状態や、噛む力が強い方には同様の治療が困難な場合があります。
・セラミックはジルコニア材料より強度が劣るので割れる場合があります。
<患者様の気持ちを大切に、治療方針を決めていきます>
今回、患者様はくちびるをぶつけてしまい、前歯が複数本かけてしまうという突然の出来事に精神的にもショックをうけ、つらい思いをされていました。治療前に何度もカウンセリングを行い、患者様のお気持ちを十分に配慮した上で、少しでも患者様の気持ちが楽になるように関わらせていただくことから始めました。
金銭的に片方ずつ治療したいという患者様のご要望と、神経の治療もあったことから治療回数が多くなり、治療期間も長くなってしまいました。しかし、患者様自身も長期間の治療に頑張って通われ、また、元気も取り戻され、満足いただける結果となりました。
前歯が欠けてしまうと精神的なダメージは大きいです。そのような場合でもまずは落ち着いて、できるだけ早めに歯科医院を受診いただければと思います。
せたがや歯科室では、怪我や事故で歯が欠けてしまった場合の歯の修復はもちろん、患者様のお気持ちを一番に考え、丁寧にお話を伺いながら治療方針を一緒に考えてまいります。
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