【症例】歯質が大きく失われた歯を保存する部分矯正

【症例】歯質が大きく失われた歯を保存する部分矯正

2023年12月12日
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治療内容

部分矯正

期間

3ヶ月

治療回数

約6回

費用

約30,000〜50,000円

治療前の状態・主訴

本症例の患者様(20代女性)は、『歯が欠けてしまった』とのことで来院されました。

レントゲンを撮影してみると、神経近くまで大きな虫歯が進行していました。

虫歯を取り除くと、歯の内部の神経が露出するほど虫歯が深く、一部分は歯茎の下まで虫歯が広がっていました。

治療詳細

まず虫歯除去を行い、神経も取り除き、神経が入っていた通路に薬を詰めました。

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↑虫歯を全て取り除いた状態

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↑神経治療後

本来であれば歯茎よりも2,3mm上に健康な歯質が残っていないと被せ物をしても長持ちしないと言われています。

今回の場合は虫歯が歯茎下まで進行していたため、歯の根自体を上へ引っ張り上げて、健康な歯質を歯茎よりも上に引き出す様に矯正を行いました。

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引き上げる歯にフックとゴムを付けて、ゴムの力を利用して引き上げていきます。

ゴムは2週間毎に交換し、目標の位置まで引き上がるまで繰り返します。

歯を引き上げると、一緒に周りの歯茎や骨も上がってきますので、矯正終了後に周り歯茎や骨の形を整えて、仮歯に置き換えて様子を見ます。

問題がなければ最終的な被せ物を作製して治療は終了です。

治療後の様子

この方はまだ治療中ですので、治療終了後の写真はありません。

 

主な副作用・リスク

・歯を急に動かすと負担が大きいです。少しずつ動かすため時間がかかります。

・ワイヤーなどの器具が入るので、お手入れがしっかり出来ないと器具を入れた部分に新たな虫歯が出来ることがあります。

・痛みを伴う場合があります。

・歯の状態によっては、同様の治療が困難な場合があります。

 

 

〈大きな虫歯で歯質が少なくなっても、歯を残せる場合があります〉

今回の症例では歯自体を引き上げる事で綺麗に被せ物を作製出来るように治療を進めました。

被せ物と歯との境目が歯茎よりも上側にないと(歯が歯茎の上側まで残ってないと)掃除がしにくく、歯茎が腫れたり、再度虫歯になるリスクが上がります。

今回の患者様が20代でお若いということもあり、時間はかかりますがなるべく長持ちするように歯を引き上げてから、被せ物を作製する事にしました。

万が一将来何度も治療を繰り返すと、歯が薄くなって抜歯の可能性が高くなります。欠損部分のみに被せ物を付けることは出来ないため、インプラント手術や、周りの歯を削って被せるブリッジ、違和感が大きい入れ歯などが必要になります。ブリッジや入れ歯は周りの歯にも負担が大きく、周りの歯も将来抜歯になる事が多いです。

 

当院ではなるべく長持ちする様に心掛けて治療を行っておりますので、気になる事があればお気軽にお声掛け下さい。

 

せたがや歯科室 歯科医師 岩田

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